マルタ アルヘリッチ

マルタ アルへリッチ

マルタ アルヘリッチ Martha argerich(1941?)

 

黒いロングドレスに長い黒髪、ツカツカと早足で舞台に現れたと思うと、おじぎもそこそこに長い髪を一閃すると、すわるかすわらないかのうちにもう弾き始めていました。このような、コール ミー クイーン!(女王様とお呼び!)状態の初来日でした。

 

天は二物を与えずなどと申しますが、 たまに彼女のように二物も三物も与えられた人が現れるんですね。美貌に加えて何万人に一人というような運動神経と音感、それよりなにより瑞々しい情感と一心不乱の情熱が彼女の演奏の特徴です。

 

美人女流ピアニストの条件がすべてそろっています。ただ、物さえ言わなければ・・・。数年前、ヴァイオリンのクレンメルと競演した時、二人でインタビューを受けたことがありましたが、クレンメルがアルヘリッチのあまりに直裁な発言をフォローすべく、汗をかきかき努めていたのが印象に残っています。 

 

そんな彼女が最近、親子ぐらいに年下のキーシンと連弾をしました。この本当に素直な天使のような青年ピアニストがただ一生懸命弾く横で、いかにも嬉しそうに伴奏パートを弾いていた彼女の母親顔が私にはとても嬉しかったです。

 

byすすむ

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